第11回 心の傷

風俗嬢は個性的な子、自我が強い子が多いと思う。私も昔から「変わってるね」なんて何百回言われてきたかわからないけど、そんな私から見ても変わってるなと思う子がけっこういる。

だけどみんなに共通しているのはとても傷つきやすい純粋な心をもっているということだ。見ず知らずの男の人を相手にしておきながらそんなの矛盾してる、と思う人もいるかもしれない。でもそれは違う。たぶん風俗嬢はみんな少なくとも一度は心の底から傷ついて泣いて落ちて、それでも這い上がってまた笑顔で仕事をしているのだ。つまり、ある部分はとても強いのだけど基本はとても繊細なのだと思う。「強さ」の部分がない子は、この仕事をすぐにやめていく。

できるだけたくさんの種をばらまいて子孫を残していきたいという男に対し女は優秀な遺伝子を厳選しようとする、そういう自然の摂理に反することをしているわけだから、仕事が精神に与えるダメージは計り知れない。たとえ自分で全然平気と思っていても、実際の心の中はめちゃくちゃにかき回されたような状態なのだと思う。

私も「もうダメ」期間を何度となく経験している。それはだいたいいつも突然やってくる。お仕事に限らず、電車や駅で知らない男の人にちょっとでも触れただけで鳥肌が立ってしまい、気持ち悪くてどうしようもなくなってしまうのだ。そうなったら私の場合DCの仕事は完全休養するしかない。会社の男性や男友達は、慣れているからか特に問題なく接することができるんだけど…。

以前書いたけれど、DC嬢を始める前私はある人とつきあっていた。私はその人のことが大好きだったけれど、明らかに正常ではない精神状態でい続けなければならないような、そういう恋愛だった。このままでは本当に壊れてしまう、私はそう思って、自分から別れを切り出した。

そうして十分ボロボロになったのに、そんな精神状態からほとんど抜け出せないまま、さらに心を傷つけるような場所に足を踏み入れてしまったのだ。全く自分でもおかしなことをしていると思う。でも私には昔からそういう傾向があった。苦しいときに楽な方に逃げるのではなく、もっと苦しいところにいってその前の苦しさを忘れようとする。(念のためですが、私はMではありません。。。)

そんな中にもぽつぽつと転がる小さな救いの石がある。私はその石の上をときどき落ちそうになりながらなんとか渡り歩いて生きているのかもしれない。

2002.11.06

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