第10回 ○○ハイツ

お仕事が入ると、いくつかの事前情報をもらう。有名なシティホテルやブティックホテルならすぐわかるのだけど、全く知らない名前だった場合、これがけっこう名前からは想像できない所に到着したりするのである。

たとえば、いかにも高級そうな名前のついた家が着いてみたら小さなアパートだったり、シティホテルだと思っていたらさびれたラブホテルだったり。書いてある名前そのものが間違っていて、探すのにすごく苦労したこともある。あってはならないことだけど、部屋番が間違っていて、お楽しみ中のカップルの邪魔をしてしまったこともある。(間違ったのは自分のせいじゃないけど、これは本当に申し訳ないと思った。もちろん、ドアは開けてませんよー)

あるブティックホテルのVIPルームというのに行ったことがある。普通のホテルじゃないのにVIPルームなんてものが存在するというだけでけっこう感心してしまったんだけど、フロントで部屋番を告げたら壁だと思っていたところがいきなりブイーンと左右に開いて、おばちゃんに「そちらからどうぞ~」なんて言われて思わず驚いて笑ってしまった。その先には、通常の部屋に行くのとは別のVIP専用エレベータがあった。部屋は、普通のホテルのセミスイートくらいの広さがあって、内装は大理石風、壁には液晶テレビが埋め込まれ、プレステ2があって広いお風呂とサウナがついていた。(場所わかっちゃうかな・・・?)

あるとき「○○ハイツ」という家に呼ばれた。しかも事務所の人が書いてくれたその○○の部分はひらがなだったため、誰がどう見ても、よくある築20年以上経っている木造2F建てのボロアパートとしか思えなかった。私は、は~と気が滅入った。でも、場所は高級住宅街。私とドライバーさんは、「こんなとこにそんな家あるのかなあ」と言いつつしばらくうろうろしていた。でもそのとき私ははっと気がついた。それを全部英語表記にしてみたら…おお!まさしく高級マンションっぽくなったではないの!そして、その勘は的中した。私が”~~HEIGHTS”と英語表記されたマンションの入り口を発見して「あった!!」と叫んだら、それでも信用しないドライバーさんは車を降りてその英語表記を近くまでいって、まじまじと見ていた。私は高級外車が見事に並ぶ駐車場を横目に奥へと進んでいったのだった。

2002.10.23

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