第8回 風俗嬢の恋愛

風俗嬢も人間なので、ふつうに人を好きになるし恋愛もする。ただ私が自分にはできないなと思うのが、ちゃんとした彼氏がいながら風俗嬢をすることだ。ひたすら彼氏に隠しながら仕事をしている子、彼氏公認の子、いろいろなパターンがあるとは思うけど、いくら仕事とはいえ愛する人がいるのにほかの男の人と…というのは、私には、あくまでも私にはだけど、不可能である。

DC嬢をはじめたとき、私は、大好きな人と別れた直後だった。それがきっかけで始めたわけではないけれど、原因のひとつになっていることは否定できない。私はその時、確かにものすごく寂しかった。私の方から死ぬ思いで関係を断ち切るしか終わらせる方法のないような恋愛だったからだ。相手のことを嫌いになったわけではないのに、大好きなのに、自分から別れなければいけないこともある。そして、そんな終わらせ方は精神をとてつもなくむしばんでしまう。

そうして私は、気付けばOLでありながらDC嬢という、テーマだけで中身は安っぽかったりする映画みたいな生活を始めてしまったのである。もともと私はDC嬢を長く続けるつもりはない。だから、DC嬢をしている間は好きな人はつくらないようにしようと決意していた。けれど、かなりタイプのお客さんに帰るとき優しく抱きしめられて「がんばるんだよ」なんて言われたら、私も女なのでグラっときてしまうこともある。けれどそこで個人的な連絡方法を教えたりすることはない。風俗嬢とお客さんの関係というのは決して確実なものではなく、どこかあやふやでちょっとタイミングを逃したらまったく違うところへ流れていってしまうような、そんなものだと思っているから。

「水商売」「遊び」というのは、みんなそんなものではないのかな。だからそこに確かなものを求めようとすると、どこかにちょっとまたは大きく無理が生じて、思うような結果に結びつかないような気がする。でもそれがときどきとてもせつなくて、すべてのことが悲しくなってしまったりするのだけれど。

2002.09.26

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