第6回 すごい家

DCはほかの風俗と比べて料金が高めなので、お客さんはやっぱりお金持ちの人が多い。それがどこかの社長とか芸能関係の人とかなら「ふうん」というカンジで別に納得するだけなんだけど、けっこう多いのが、なにしてるかよくわからないけどお金を持ってる人。まだ若いのに鞄の中から分厚い札束が出てきたりすると、この人は一体何者なんだろうと思う。でも私は特にそのあたりについて追及したりはしない。そういうことを聞かれるのが嫌な人もいると思うから。お客さんが自分から話してきたら、それとなくいろいろと聞いてみたりはするけど。

不景気不景気と言われているけど、持ってる人は持ってるのだ。たとえば私をだいたい週に1度は指名してくれるお客さんがいるのだけれど、そのために使うお金が1か月で○○万であることを考えると、私なんかのためにそんなに使っていいのだろうか、と思ってしまう。この人は自宅だからまだいいけど、これがもしホテルだったら、料金に加えてホテル代がかかるわけだからもっと高くついてしまう。

私は見るからにお金持ちの家を勝手に「すごい家」と呼んでいるのだけど、「すごい家」というのは部屋が7~8あるのは当たり前。バスルームも2~3個あって当たり前。テレビはうちのかわいいテレビくんの何倍あるかわからないような大きさで、液晶であって当たり前。ソファやテーブルはイタリアとかスウェーデンとかの高級皮張りであって当たり前。

私はインテリアや電化製品が大好きなので、「すごい家」に行くと、思わず「これはなんですか?」とか「どこのものですか?」とか聞いてしまう。もちろん失礼にならない程度に、だけど。そして、そんな「すごい家」に住んでいるお客さんが、オシャレな小物なんかを帰りにくれたりしないかなあなんて期待するけど、残念ながら今までに一度ももらったことはない。それどころかお金持ちの人ほどきっちりおつりを要求したりする。

けど、「すごい家」に呼ばれて私が一番うれしいのは、やっぱりお風呂、である。洋画に出てくるみたいな白くて広いバスルームであわあわになっていると、1時間でも入っていたいと思ってしまう。そんな気持ちを必死で吹き飛ばし、「さ、がんばるぞ」と私はバスタブから出るのである。

2002.08.28

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