第4回 2つの顔

私は昼間ふつうに働いているOLなので、DC嬢として働くのは主に週末である。でも、お客さんから事務所に「どうしても」という指名の電話があったりした場合、平日に出ることもけっこうある。

けれど問題なのが次の日の朝。仕事が1本で終わればいいけど、だいたい「もう1本行ける?」とか言われてしまう。私もそこで断ればいいのに、今私が断ったらスタッフが余計な苦労をするんだろうなあ、と思うと受けてしまう…・。すると帰りは夜中の3時頃になり、結局睡眠時間は2時間くらいしか取れずフラフラで会社に行くことになってしまうのである。

ふだん7時間以上きっちり寝ないとだめな私にとって、これはかなりつらい。午後強烈な眠気に襲われて何も手につかなくなる。そうなるともう仕方ないので私は席を立ち、無意味に階段を上ったり降りたりして眠気を飛ばすしかない。

昼の顔でいるときに、突然夜の自分の姿が思い浮かんでくることがある。会社で打ち合わせをしているとき、洋服を選びながら店員さんと話しているとき、ネイルサロンにいるとき、美容室にいるとき、区役所に行ったとき・・・など。誰かと接しているときが多い。そして、そういうときに決まってセットで頭の中を回るのは、なぜか自分を卑下するような言葉だ。

「今あなたと笑って話している私は、実はお金で体を売る風俗嬢なんですよ」

そういう状態になると私はなんだかいたたまれない気持ちになって、一生懸命それを振払おうとする。

私は、昼はOL、夜はDC嬢という今の自分の状態を、きっと自分の中で消化しきれていないのだろう。だからいつも消化不良のなにかが体の中で私を中途半端に苦しめる。

それでも私は昼の仕事をやめるつもりはない。完全な風俗嬢になることには、やっぱりまだまだ抵抗があるのが事実。うまく説明できないのだけれど、今の私は2つの顔を持つことによって精神のバランスを保っている、そんな感じなのかもしれない。

2002.07.31

Follow me!