風俗嬢の人間観察 -佐藤明子-

ソープにみる男の粋とデリヘルに癒しを求めるサラリーマンをあやすコンパニオンの物語。風俗雑誌にありがちなイケイケでもなく、愚痴の捨場でもなく、風俗業界に渦巻く人間模様を通じて語る現役風俗嬢の人生哲学。

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佐藤明子

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第7回

至上最低のバレンタインデーを過ごしたぞ!


今年のバレンタインデー、戦果はいかがだったでしょうか?男性の皆様。あきこは2月14日にお会いするお客様には生チョコをプレゼントしようと密かに決めておりました。だって、バレンタインの夕べにわざわざデルヘリに来てくださる方?って本命チョコは少ないに違いないと思ったのです。ぜひ、本命の恋人からチョコレートもらった気分になってほしいなあと思いました。

で、2月14日の午後5時に待ち合わせたお客様E様は、お店のオーナーの知り合いの紹介というややこしいルートでした。この節、携帯電話をお持ちでない方は、ある意味ポリシーをお持ちか、はたまた究極のケチかの2分極化しているように思われます。もちろん会社経費持ちの携帯をお持ちの方は、まさか風俗店に電話をするのに使うのも、番号をお店に知らせるのも抵抗がおありになるようで、非通知を貫く方もおられます。そうすると、ガセでも困るので原則ラブホに先にお入りになってお部屋から呼んでいただくということになります。

女性が一人でラブホに入るのってかなり勇気が必要ですが、ホテル街を見渡してみればけっこう一人で堂々と入っていく方がいるので感心したことがあります。フロントに「○階の○号室です。」と声をかけて当たり前のようにエレベーターに乗り込んでいく後ろ姿は、背筋がしゃっきと伸びています。若い女性もいれば、私ぐらいのおばさんもいるので、年齢や世代の感覚ではむしろなさそうだと思います。フロントの上には、張り紙がしてあり、当ホテルは売春行為等に準ずる方のご利用をお断りしておりますと書いてあります。これってタバコの箱の表に肺がんになってもしらんよと書いてあるのに似ていてすごく面白い部分です。

あたしは通常の駅前待ち合わせで、並んでホテル街に向かって歩きながら世間話をしていくのがけっこうコミュニケーションのきっかけをつくる上でいいなあと思っています。わずか、5分か、10分足らずの間にこのお客様の感じというのがけっこうつかめます。重要な情報収集タイムです。ラブホは、一様お客様のお好みを伺います。本当に値段も雰囲気もピンからキリまでなので、こちらはホテルと契約しているわけでもなんでもないですから、熱心にポイント収集している女性は同じホテルに誘うみたいですが、あたしはしません。

通常ホテルは、休憩料金とお泊り料金というのがあって、お泊りは二人で泊まることを考えたら、週末料金でないかぎり結構割安感はあります。しかし、お泊りの設定ができる時間が、午後10時以降というラブホがかなりあります。基本的には、休憩で一日できるだけ部屋の利用回転数をあげたほうが収益になるはずですから。

で、このE様、待ち合わせは駅前だったんですが、時間があったとかで、スロットをやっていたんで、一箱でたから、景品に換えるのにまず付き合ってくれといわれました。スロットは等価交換のところが多いですから、一箱といえばざっと1万5千円にはなります。「スロットですったら呼べないところだった。」といわれた時点で、これは怪しいとは思いましたが大人しく景品交換所まで付き合いました。

それから夕方五時から泊まり料金で入れるホテルがあるからそこに行こうと誘われました。「今日はお泊りになるんですか?」ときくと「そう。帰るのは面倒だからね。本当は一晩女の子とといちゃいちゃしてすごしたいのだけど、一晩キープじゃあ12万はかかるからねえ。」

服装、身なりからそれほど裕福な方にはもちろんみえませんでした。ついでに身長は150センチぐらいで、たまたまヒールの低いパンプスを履いていたあたしでも並ぶとかなりこちらが大きい。見てくれはあまりこだわらないあたしですが、野球帽を目深にかぶった顔は、D症という先天性の障害に特有な顔立ちであるのに加えてアトピー性皮膚炎がかなりひどい。足の膝関節が片足曲がらないのでかなりひきずって歩く。繰り返し、述べておくが東横インの社長のような障害者について独断と偏見をあたしが持っているわけでないことは強調しておきますね。ですから、ホテル、しかもビジネスホテル並みの部屋ではあったが、ご一緒しました。きわめて狭く、トイレと一体型のユニットバスにお湯を張り、ベッドのところに戻ると「携帯電話貸してくれない?友達に電話しないといけないから。すぐ終わるからさ。俺、携帯電話持っていないんだ。」というので、携帯をお貸ししました。このあたりも初めての経験。

5分くらいで終わったところで、「お店にホテルの名前と、部屋番号、お時間を電話しないといけないのですが。」「二時間で2万8千円だよね。」3万預かりから2千円お釣りを渡すと「生で本番オッケーだよね。」仰天したのはあたしでした。

お店のオーナーの知り合いの紹介客にしてもこれには絶句。「うちのお店は本番はしていないし、わたしはしたこともありませんから。」としずしず答えました。「ええ?本番できると思ってきたんだよ。鶯谷あたりはみんなやらせるよ。もっと安く。」「そうおっしゃられても・・・・」「じゃあ、悪いけどキャンセルだね。帰ってよ。」もう少しで優しいあたしも切れそうになりました。「俺さ、今日はホテルの泊まり代含めて3万5千円しか持っていないのよ。」「お金、返してよ。」「お部屋まで来てキャンセルは困るのですが。」「明日(15日)になるとお金が入るんだけどさ。」障害者年金の受給日なんだあと心の中で思いましたがだまっていました。

あとで考えてみればここで、すっぽんぽんに脱いでしまえばよかったのでした。そうするとお仕事に入っているとみなされるので、キャンセルできないし、返金しなくてもいいとあとで聞きました。結局あたしは「キャンセル料5千円をいただき、すごすご帰りました。ホテルのフロントで入るときにもらった、バレンタインデーキャンペーンのゴディバのチョコレートのかわいい紙袋をブルさげなら事務所にしおしおと戻ったのでした。最悪のバレンタインデーの夜は静かにふけていったのでした。生チョコ?はあたしが自分で食べました。とんでもないバレンタインデーの過ごし方でした。

2006.02.28
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佐藤明子

風俗嬢の人間観察|佐藤明子



 

 

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創刊:2005.11.03

更新:2008.10.14
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